頭皮が痛い原因はストレス・頭痛?マッサージなどの対処法やはげるのかを解説
「頭皮を押すと痛い」「頭皮を触ると痛い」「髪をかき上げると頭皮が痛い」など、頭皮が痛いと感じる方に向け、なぜ頭皮が痛くなるのか原因について解説し、頭皮が痛いときに自分でできる対処法について解説します。
また、女性の頭皮が痛くなる原因や、頭皮が痛いと抜け毛が増えてはげるのかについてもまとめ、対処法を行っても頭皮の痛みが改善しない場合は何科を受診すればいいのか紹介しているので、頭皮が痛いと感じる方は参考にしてください。
女性の頭皮の痛みはお団子やヘアカラーが原因?生理・産後の関係性を解説
女性が「頭皮が痛い」と感じるときには、どんな原因があるのでしょうか。
ここでは、頭皮が痛いと女性が感じるときに考えられる、女性特有の原因についてまとめました。
- 女性ホルモンと皮脂分泌の変化
- ヘアカラーやブリーチなどの頭皮ダメージ
- 髪を引っ張る髪型
頭皮が痛い原因は人によって様々ですが、女性の頭皮の痛みには「女性ホルモンと皮脂分泌の変化」「ヘアカラーやブリーチなどの頭皮ダメージ」「髪を引っ張る髪型」などが影響していることが多いようです。
女性の肌が女性ホルモンの影響を受けるように、頭皮も女性ホルモンの影響を受けており、ホルモンバランスが崩れると少しの刺激でも頭皮が痛いと感じることがあります。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が低下し、皮脂の分泌をうながすプロゲステロンが増える「生理中」や、女性ホルモンが大きく変化する「出産後」などは、頭皮環境が悪化してしまい少しの刺激でも頭皮に炎症が起きやすく頭皮が痛いと感じることがあります。
ヘアカラーやブリーチの際に薬剤が頭皮に付着すると、頭皮にダメージを与えてしまい頭皮が痛いと感じることがあります。また、ヘアカラーやブリーチを繰り返し行っていると、頭皮が乾燥したり炎症を起こしてしまい頭皮環境を悪化させてしまうため、頭皮が痛いと感じることがあります。
髪を高い位置で結ぶお団子やポニーテールなどの髪型は、束ねられた髪の重みや髪が引っ張られていることで頭皮が痛いと感じることがあります。また、毎日のように髪を引っ張るような髪型をしていると頭皮に負担がかかってしまうので、血行が悪くなり頭皮が痛いと感じることがあります。
「頭皮が痛い」と感じるのは女性だけではないので、ここからは女性だけではなく男性でも起こる頭皮が痛くなる原因について解説します。
頭皮が痛い原因:①ストレスなどによる血行不良
頭皮の表面がピリピリ痛い場合は、ストレスが原因で血管が収縮してしまい、頭皮への血流が低下することで血行不良を起こしている可能性があります。
ストレスなどによる血行不良が原因で頭皮が痛い場合は、頭皮に湿疹や外傷がなくても頭のてっぺんを押したり、ブラッシングなどで髪を動かすと頭皮が痛いと感じることがあります。また、長時間のデスクワークや、パソコン、スマートフォンの使用などでも、ストレスが溜まり血行不良を起こしてしまうため、頭皮が痛いと感じることがあります。
頭皮が痛い原因が「ストレスなどによる血行不良」の場合は、自分で対策できる場合もあるので下記の頭皮が痛いとき自分でできる対処法を参考にしてみてください。
>>頭皮が痛いとき自分でできる対処法:シャンプー・マッサージなど
頭皮が痛い原因:②頭痛・頭皮神経痛
頭部に外傷などがなく、ぶつけたわけでもないのに、「頭皮を押すと痛い」「頭皮を触ると痛い」「髪をかき上げると頭皮が痛い」など頭皮が痛い場合は、頭痛や頭皮神経痛が原因の可能性があります。
頭痛が原因
頭皮が痛い原因が頭痛の場合の症状としては、ズキズキする痛み、締め付けられるような痛み、ガンガンする痛みなど、痛みの感じ方や症状にも個人差があり、痛みが生じる部位も人により様々です。
また、頭痛のタイプには「緊張型頭痛」「片頭痛」などがあり、痛みが起こるメカニズムや痛みを和らげるために使用する薬もそれぞれ異なります。
頭皮神経痛(後頭神経痛)が原因
頭皮が痛い原因が頭皮神経痛(後頭神経痛)の場合は、耳の後ろの後頭部から頭頂部にかけてのチクチク、ピリピリ、ズキズキとした発作性の痛みで、電気が走るような痛みが不規則に繰り返し生じるなどの症状があります。
頭皮神経痛(後頭神経痛)の痛みの症状は人により様々ですが、首の筋肉が神経を圧迫することで痛くなると考えられています。猫背の姿勢をしていたり加齢による頚椎の変形、デスクワークなどで同じ姿勢をとり続けていると発症することがありますが、1週間程度で自然に治ることが多いでしょう。
頭皮が痛い原因が「頭痛・頭皮神経痛」の場合は、自分で対処できることもありますが、症状が改善されないときは下記の病院を受診する目安を参考に、何科を受診するか検討してみてください。
>>頭皮が痛いとき自分でできる対処法:シャンプー・マッサージなど
頭皮が痛い原因:③できものなどの頭皮炎症や湿疹
頭皮が赤くなったり、かゆみなどの炎症症状があり、「頭皮を押すと痛い」「頭皮を触ると痛い」「髪をかき上げると頭皮が痛い」などの場合は、以下のような皮膚炎や湿疹の可能性があります。
- 毛嚢炎(毛包炎)や尋常性ざ瘡(ニキビ)
- 接触性皮膚炎
- 脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)
- 皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)
頭皮が痛い原因が、頭皮が赤くなったりかゆくなる炎症症状がある場合は、できものと言われる「毛嚢炎(毛包炎)」や「尋常性ざ瘡(ニキビ)」、「接触性皮膚炎」、「脂漏性湿疹」、「皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)」などが考えられます。
毛嚢炎(毛包炎) |
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毛嚢炎(毛包炎)は「おでき」「できもの」とも呼ばれる炎症で、頭皮に掻き傷や刺し傷などがあると、毛包部の小さな傷から細菌が入り込んで炎症を引き起こすため、頭皮がズキズキ痛いと感じることがあります。 主な症状としては、赤み、かゆみ、毛穴の中央に膿をもつなどですが、さらに進行すると強い痛みを伴い、圧迫感や発熱などの症状が現れることもあります。 |
尋常性ざ瘡(ニキビ) |
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尋常性ざ瘡は「ニキビ」「できもの」と呼ばれる炎症で、毛根を包んでいる毛のうに皮脂や汚れなどが詰まることで、常在細菌のアクネ菌が増殖することにより強い炎症が生じ、頭皮が痛いと感じることがあります。特に思春期に脂の分泌が多くなるので起こりやすくなります。 主な症状としては、最初皮膚の表面が盛り上がる「白ニキビ」という状態になり、アクネ菌が毛ほうの中で増殖すると「赤ニキビ」になります。赤ニキビになると、赤み・痛み・膿をもつようになり、進行すると強い痛みを伴い、圧迫感や発熱などの症状が現れることもあります。 |
接触性皮膚炎 |
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接触性皮膚炎は「かぶれ」とも呼ばれており、原因となる物質が頭皮に接触すると強い刺激が生じる「刺激性接触皮膚炎」や物質に対してアレルギー反応を起こす「アレルギー性接触皮膚炎」、その部分に光や紫外線が当たることで起こる「光接触皮膚炎」などがあり、頭皮に炎症が起こると痛いと感じることがあります。 主な症状としては、かゆみ、赤み、腫れ、ヒリヒリとした痛みが生じ、湿疹や水ぶくれ、頭皮の皮が剥けるなどです。 |
脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎) |
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脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)は「マラセチア」という皮膚の常在菌が、頭皮など皮脂の分泌が多い部分で繁殖することで炎症を引き起こし、頭皮が痛いと感じることがあります。 皮脂成分・分泌量などの変化、代謝異常、入浴・洗顔不足、ホルモンの乱れなどが要因といわれており、主な症状としては、かゆみをともなう赤み、乾燥したうろこ状のフケ、黄色味を帯びたフケ、炎症、湿疹などがあり、さらに悪化するとかさぶたになることもあります。 |
皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹) |
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皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)は加齢、洗いすぎによる皮脂の減少、こするなどの外的刺激、アトピーなどの体質により、頭皮などのアミノ酸の合成量が低下して乾燥するため頭皮が痛いと感じることがあります。 主な症状としては、頭皮が乾燥してカサカサになる、白く粉をふく、かゆみ、ひび割れなどがあります。 |
頭皮が痛い原因が「湿疹・皮膚炎」の場合は、市販薬で対応できることもあります。
しかし、何が原因で頭皮炎症を起こしているのか分からない場合は、下記の病院を受診する目安を参考にして何科を受診するか検討してみてください。
頭皮が痛い原因:④疲れや体調不良で出現する帯状疱疹
疲れや風邪などによる体調不良、加齢などにより免疫が低下などで起こる帯状疱疹が頭部などに現れると、頭皮が痛いと感じます。
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスにより発症するため、子供の頃に水疱瘡(みずぼうそう)にかかったことがある方は、ウイルスが体内に潜伏しているため誰でも発症する可能性があります。
症状には個人差があり、違和感やかゆみ程度から、ピリピリ、チクチク、ズキズキした痛み、針で刺されるような痛み、焼けるような痛みを感じるなど様々です。その後、体の左右のどちらかに、水ぶくれを伴う赤い斑点などの症状が帯状に現れ、痛みが徐々に強くなり症状が悪化すると発熱する場合もあります。
帯状疱疹は治療が遅れてしまうと、合併症を引き起こしたり後遺症が残ることもあるため、発疹が現れてから3日以内に病院を受診して治療を開始してください。
帯状疱疹の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスに有効な市販薬はないため、合併症や後遺症などにならないためにも、頭皮が痛い原因が帯状疱疹の可能性がある場合は、早めに病院を受診するようにしましょう。
頭皮が痛いとはげる?抜け毛が多いなら脱毛症に注意
頭皮は髪に覆われているため、頭皮が痛いとはげるのではないかと不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、頭皮が痛くなると抜け毛が増えてはげるのか、頭皮が痛くなる脱毛症があるのかについて解説します。
頭皮が痛いとはげる?
頭のてっぺんや頭皮の痛みだけではげるとは考えにくいですが、血行不良などが原因で頭皮が痛い場合は、はげることも十分に考えられます。
頭皮が血行不良になると血管が収縮して細くなってしまうため、毛根まで栄養や酸素が行き渡らなくなってしまいます。そのため血行不良が長く続くと、抜け毛が増えてはげてしまうことがあります。
頭皮が痛くなる脱毛症
頭皮に痛みを伴い抜け毛が多い場合は、脂漏性脱毛症の可能性があります。
脂漏性脱毛症とは、頭皮が痛い原因の一つである脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)により、頭皮環境が悪化してしまい抜け毛が増えてしまう脱毛症です。脂漏性脱毛症は、脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)を治療することで、抜け毛などの症状を改善することができます。
脂漏性脱毛症は脂漏部位から脱毛するという特徴がありますが、生え際や頭頂部から脱毛している場合はAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)を発症している可能性があるためFAGA治療やAGA治療がおすすめされる場合もあります。
抜け毛が多く頭皮に痛みを伴う場合は、頭皮環境が悪化していることも考えられますが、何らかの脱毛症を発症している可能性もあります。
痛みの有無にかかわらず抜け毛が多い場合には、そのままにしているとはげてしまうこともあるので、放置せずに皮膚科やAGA治療・薄毛治療を行っているクリニックなどを受診するようにしましょう。
頭皮が痛いとき自分でできる対処法:シャンプー・マッサージなど
頭皮が痛くなる原因は様々ですが、今回は頭皮が痛いときに自分でできる対策法について紹介します。
- シャンプーを正しく行う
- 頭皮マッサージを行う
- ストレスを発散する
シャンプーを正しく行う
頭皮に痛みを伴う湿疹や炎症があると、シャンプーを行ってもいいのか迷うと思いますが、頭皮からの出血などがない場合は、頭皮を清潔に保つためにも正しい方法でシャンプーを行うようにしましょう。
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1 ブラッシング
シャンプーをする前には念入りにブラッシングをして髪の絡まりをほぐし、髪についているほこりなどの汚れを浮き上がらせます。
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2 お湯で予洗いをする
頭皮についている汚れや余分な皮脂などを落とすために、すこしぬるめのお湯で頭皮を揉むように予洗いをします。
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3 シャンプーを泡立てる
洗浄力が高すぎると必要な皮脂を落としすぎてしまうため、弱酸性のシャンプーを選びます。頭皮に直接シャンプーをつけるのではなく、手のひらでシャンプーを程よく泡立ててから頭皮につけます。
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4 頭皮をしっかりと洗う
爪を立てると頭皮にダメージを与えてしまうので、指の腹を使って頭皮を優しく丁寧にシャンプーします。
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5 よくすすぐ
汚れやシャンプーが頭皮に残らないように、しっかりとすすいで洗い流します。
シャンプー後にトリートメントやコンディショナーを使用する場合は、頭皮につかないように使用し、すすぎ残しがないように十分に洗い流します -
6 ドライヤーで乾かす
シャンプー後はタオルドライで水気をとり、ドライヤーでしっかりと乾かしましょう。
シャンプー後はドライヤーをかけるよりも、自然乾燥のほうが髪や頭皮に優しいようなイメージがある方もいると思いますが、髪や頭皮を濡れたまま放置すると雑菌が繁殖し頭皮環境が悪化してしまいます。
頭皮が痛いときは頭皮を清潔に保つことが大切なので、シャンプーを正しく行い、ドライヤーを使用してしっかりと髪を乾かすようにしましょう。
頭皮マッサージを行う
頭皮マッサージは、血行促進やリラックスすることでストレスを緩和する効果も期待できるので、頭皮が痛いと感じたら頭皮マッサージを取り入れてみてみましょう。
頭皮が血行不良になると、頭皮が硬くなるだけでなく頭皮環境も悪化してしまうので、指の腹を使い頭皮をも揉みほぐすように優しくマッサージをして血行を促進し、頭皮を健康に保つようにしてください。
なかなか頭皮マッサージの時間を確保できないという方は、湯舟に浸かっている時やシャンプーの時などに取り入れると、入浴中にリラックスした時間を過ごせるでしょう。
ストレスを発散する
ストレスが溜まると頭皮の血行不良を引き起こすだけでなく、自律神経やホルモンのバランスなども崩れてしまい頭皮が痛くなってしまうことがあります。ストレスを発散する方法は人によって様々ですが、友人や家族、パートナーなど、誰かと会話をするだけでもストレス発散になります。
また、適度な運動もストレス発散になりますが、過度な運動は逆効果になってしまうので、1日15分~20分を目安にストレッチや軽いジョギングなど、身体を動かしてみるといいでしょう。
頭皮が痛いときに自分でできる対策法として、「シャンプーを正しく行う」「頭皮マッサージを行う」「ストレスを発散する」を紹介しましたが、対策法を試しても頭皮の痛みが治まらない場合や、痛みが酷くなる場合などは病院を受診することをおすすめします。
頭皮が痛いときは何科?皮膚科など受診する病院について
頭皮の痛みが強い場合や長く続く場合は、放置せずに病院を受診するようにしましょう。
頭皮に痛みがあり、赤い、かゆい、などの症状があり炎症や湿疹などが見られる場合や、帯状疱疹などが疑われる場合は「皮膚科」を受診するようにしましょう。皮膚科では主に、内服薬(飲み薬)や外用薬(塗り薬)を用いた治療を行い症状を緩和します。
頭部をぶつけたわけでもなく、頭皮に外傷がないのに頭皮が痛い場合は、頭痛や頭皮神経痛が原因で頭皮が痛い可能性があるので、「脳神経外科」や「頭痛外来のある病院」を受診するようにしましょう。脳神経外科や頭痛外来では、頭皮が痛い原因が神経にあるのかを確認するため、MRI検査やCT検査、血液検査などを行うことがあります。
頭皮の痛みといっても人によって症状は様々なので、自分の症状に合った病院を受診することが大切です。
しかし、頭皮が痛い原因がよくわからず何科を受診していいのか分からない場合は、まずはかかりつけ医を受診しましょう。かかりつけ医がないという方は、「皮膚科」や「総合診療科」などを受診して、自分の頭皮が痛い原因を診断してもらうようにしましょう。
頭皮が痛い原因と対処法 まとめ
今回は、「頭皮を押すと痛い」「頭皮を触ると痛い」「髪をかき上げると頭皮が痛い」など、頭皮が痛い方に向けて頭皮が痛くなる原因や対処法についてまとめました。
頭皮の痛みは人により原因や症状が異なるため、それぞれに合った対処法を行うことが大切です。しかし、自分で対処法を行っても頭皮の痛みが改善しない場合は、自分の症状に合わせて病院を受診することが大切です。
何科を受診すればいいのか分からないという方は、かかりつけ医または「皮膚科」「総合診療科」などを受診して、自分の頭皮が痛い原因などを診断してもらい治療を行うようにしましょう。
また、頭皮の痛みの有無にかかわらず、抜け毛が多い場合は何らかの脱毛症を発症している可能性があるので、そのままにせず皮膚科またはAGA治療・薄毛治療を行っているクリニックを受診するようにしてくださいね。