永久脱毛の定義や仕組みとは?脱毛方法の種類・効果やまた生えてくるかを解説
永久脱毛とはどんな脱毛なのかを詳しく解説します。
永久脱毛をして体毛に悩まなくて済むようになりたい!と希望する人がいる一方で、国民生活センターには永久脱毛に関わる相談がいくつか寄せられています。
トラブルなく永久脱毛を行うには、正確な知識や情報を知っておきたいもの。
この記事では永久脱毛の定義や効果、脱毛方法や回数、デメリットなどについてくわしく解説します。
永久脱毛という状態の定義とは?また生えてくることがあるかを解説
永久脱毛と聞くと、施術後に一切毛が生えてこなくなる脱毛を想像してしまいますが、そうではありません。
永久脱毛=永久に毛が生えてこない脱毛というわけではないのです。
永久脱毛とは一般的に、“発毛組織を破壊することで、長期にわたり次の毛が再生しない状態が続く脱毛”を指します。
永久脱毛の定義は完全に毛が生えてこなくなることではない
実は日本には永久脱毛の厳密な定義がなく、医療脱毛クリニックの多くはアメリカの定義をベースに永久脱毛を説明しています。
大手医療脱毛クリニックの1つ、リゼクリニックでの永久脱毛の解説を見てみましょう。
FDA(アメリカ食品医薬品局) によると、『一定の脱毛施術を行った後に再発毛する本数が、長期間において減少し、その状態が長期間に渡って維持されること』とされています。
また、AEA(米国電気脱毛協会)によると『最終脱毛をしてから1ヶ月後の毛の再生率が20%以下であれば永久脱毛と認める。』とされています。
※FDA…米国の政府機関で「保健・福祉省」に属します。
※AEA…1958年に設立されたアメリカ最大の電気脱毛士団体。引用: 「永久脱毛とは?」リゼクリニック公式サイトより
脱毛の施術後に新しく生えてくる毛が基準以下であること、毛が再生しない状態をキープできることを永久脱毛とみなしていることがわかります。
永久脱毛をしても毛が生えてくる可能性があることを理解しておいてください。
参考:AEA(米国電気脱毛協会)
参考:FDA(アメリカ食品医薬品局)
永久脱毛で得られる効果と脱毛の仕組み
永久脱毛は、発毛組織を破壊することで毛の再生を抑えます。発毛組織とは、毛根(毛包)にある毛乳頭・毛母細胞・バルジ領域という組織のことです。
発毛組織がどこにあるのかを図で見てみましょう。
- 毛乳頭:毛母細胞に栄養を送る組織
- 毛母細胞:毛のもととなる組織
- バルジ領域:発毛を促す組織
毛乳頭や毛母細胞は毛根の根元にあり、バルジ領域はそれより少し浅い部位にあります。
これらの発毛組織に熱ダメージを与え、破壊することで永久脱毛を行えます。
脱毛は毛周期に合わせて何回か施術を行う必要がある
毛には生えかわりの周期(毛周期)があります。
毛周期には成長期、退行期・休止期の3段階があり、発毛した毛が伸び、やがて抜け落ちて新しい毛の準備をすることを繰り返します。
医療レーザー脱毛では、成長期の毛に合わせて複数回脱毛を受けることで希望部位全体の毛に永久脱毛を行えます。
1回脱毛しただけで永久脱毛が終わるということはありません。
永久脱毛で得られる効果
発毛組織が破壊されると、理論上次の毛が生えてくることはありません。長期にわたって脱毛効果を得られます。
施術後に毛が生えてきても、元気のいい剛毛ではなく、弱々しい細い毛質に変わっていることもあります。
“永久脱毛を行ったけれど数本毛が生えてきてしまった”ということはありえますが、施術前の毛量に戻ってしまうことはほとんどありません。
サロンや自宅で永久脱毛できる?永久脱毛を行える場所
永久脱毛は、毛乳頭や毛母細胞、バルジ領域などの発毛組織を破壊する施術です。
組織を壊す施術は医療行為にあたるため、永久脱毛が行えるのは医療脱毛クリニックや美容皮膚科などの医療機関のみとなっています。
永久脱毛の施術担当者も、医師や看護師限定です。
脱毛サロンでの美容脱毛(光脱毛)や、自宅で行うセルフ脱毛(家庭用光美容器、脱毛クリーム、脱毛ワックスなど)では発毛組織を壊せず、永久脱毛はできません。
サロンの脱毛やセルフ脱毛では、一時的な減毛・抑毛を行えます。
クリニックに通って永久脱毛がしたいという人におすすめの医療脱毛クリニックについては、こちらの記事で紹介しています。
永久脱毛の脱毛方法について
永久脱毛の定義に当てはまる“発毛組織を破壊する施術方法”として、FDA(アメリカ食品医薬品局)は毛穴1つ1つに電気を通すニードル脱毛を紹介しています。
このほかに発毛組織を破壊する脱毛方法として、レーザーの熱を利用する医療レーザー脱毛があります。
医療レーザー脱毛は、クリニックで広く導入されているポピュラーな脱毛方法です。
- 医療レーザー脱毛
- ニードル脱毛
医療レーザー脱毛とニードル脱毛、それぞれについて詳しく説明します。
医療レーザー脱毛による永久脱毛の特徴
医療レーザー脱毛は、毛の黒い色(メラニン)に反応して熱を発生するレーザーを肌に照射することで発毛組織を破壊します。
医療レーザー脱毛の仕組みはこちらです。
- 広い範囲を効率よく照射
- 痛みはニードル脱毛より弱い
- 白髪や金髪などは苦手
レーザーの光を肌に照射することで脱毛を行え、背中やお腹、太ももなど広範囲を一気に施術できます。
全身を永久脱毛する場合は、ニードル脱毛ではなく医療レーザー脱毛を選ぶのが一般的です。
医療レーザー脱毛の施術時には熱による痛みが少なからずありますが、ニードル脱毛ほどの痛みを感じることはありません。
メラニンの少ない金髪や産毛、白髪などの脱毛は不得意という特徴があります。
永久脱毛で使われる医療レーザーには3種類があり、脱毛機により照射できる医療レーザーが異なります。
- アレキサンドライトレーザー:剛毛が得意・痛みはやや感じやすい
脱毛機:ジェントルレーズプロなど - ダイオードレーザー:産毛に対応・痛みはやや感じにくい
脱毛機:ライトシェアデュエット、メディオスターNeXT PRO、ソプラノアイスプラチナムなど - ヤグレーザー:根深い毛も得意・痛みを感じやすい
脱毛機:ジェントルヤグなど
医療レーザーはそれぞれ肌の中で作用する深さが異なるほか、熱による痛みの感じ方が異なります。
レーザーとは別に、脱毛方式にも2種類があります。
熱破壊式(ショット式)と蓄熱式と呼ばれる2つの脱毛方式は、ターゲットとする発毛組織が異なります。
熱破壊式は高出力のレーザーを照射し毛母細胞や毛乳頭を破壊する方法で、ワキやVIOのような剛毛の永久脱毛に向いています。
蓄熱式は低出力のダイオードレーザーを照射して主にバルジ領域を破壊します。顔や背中などの産毛を永久脱毛したい場合は蓄熱式がおすすめです。
永久脱毛をしたい部位の毛質や肌質により、適した医療レーザーや脱毛方式は変わります。
クリニックを検討する際には医療レーザー脱毛機もチェックしてみてください。
ニードル脱毛による永久脱毛の特徴
ニードル脱毛は、毛穴に金属の細い針(ニードル)を挿入し、電流を通すことで毛乳頭を破壊する永久脱毛方法です。
ニードル脱毛の仕組みはこちらです。
- 毛を1本ずつ処理する
- 痛みを強く感じやすい
- 広い範囲には不向き
ニードル脱毛は古くから行われてきた脱毛方法で、毛を1本ずつ着実に処理することにより高い永久脱毛効果が期待できます。
メラニン色素を介さないため白髪でも永久脱毛を行える一方で、痛みが強い・施術に時間がかかるという短所があります。
医療レーザーで抜けなかった手ごわい毛や、眉周りなど細かなデザイン脱毛を行う場合に便利な永久脱毛方法です。
永久脱毛に必要な回数と通う期間
毛質や肌質は個人差が大きく、永久脱毛にかかる回数や期間は人によりさまざまです。
脱毛部位や脱毛機、希望の仕上がりなどによっても脱毛回数が左右されるため、「何回で永久脱毛できる」と簡単には言えません。
ここでは多くのクリニックが行っている医療レーザー脱毛プランを例に挙げて、通う回数や期間の目安を紹介します。
- 基本の脱毛プラン回数:約5回
- 通う頻度:2~4ヶ月おき
- 通う期間:2ヶ月×5回の場合、最短10ヶ月
永久脱毛の回数について
医療脱毛クリニックには、5回のコースをベーシックプランとして用意してるところが多く見られます。
永久脱毛は5回を目安に通い、5回コース完了後にもの足りなく感じた場合は、追加照射を受けても良いでしょう。
回数コース後に割引価格で追加照射を受けられるクリニックもあります。
毛量が多いなど5回で心もとない場合は、8回や10回など回数の多いコースを選んでください。
永久脱毛に通う頻度と期間
永久脱毛に通う頻度は、約2ヶ月おきというクリニックが主流です。
2カ月おきに5回通うとすると、早ければ10ヶ月で5回の脱毛コースが終わります。
脱毛を重ねていくと効果のあった毛は抜け落ちていき、毛周期のそろった毛が残ります。
毛の生え方により、間隔を空けて来院するよう指示されることも多いので、回数や期間は参考程度に考えてください。
永久脱毛が行えるクリニック選びのポイント
永久脱毛を目的に医療脱毛クリニックを選ぶ時のポイントを紹介します。
- 脱毛範囲や値段・追加照射の有無
- 医療レーザーと脱毛機
- 通いやすさや予約の取りやすさ
永久脱毛の脱毛範囲や値段・追加照射の有無をチェック
希望部位が脱毛範囲に入っているか、料金が予算内であるかなど脱毛プランの内容と値段をチェックします。
永久脱毛を目指す場合、回数コースによってはもう少し照射を続けたいと感じることがあるかもしれません。
追加照射の割引価格設定があると、費用を抑えて脱毛を続けることができます。
医療レーザーと脱毛機をチェック
医療レーザー脱毛機には多くの種類があり、得意な毛質や痛みの度合いが違います。
たとえば、ワキやVIOであれば濃い毛が得意な熱破壊式アレキサンドライトレーザー脱毛機、顔の産毛をさっぱりさせたいなら蓄熱式ダイオードレーザー脱毛機などのあるクリニックなど、永久脱毛を行う部位や毛質をもとに脱毛機の候補を挙げてみるのも良いでしょう。
大手医療脱毛クリニックは、複数のレーザーを照射できる脱毛機、あるいは複数の脱毛機を備えているところも数多くあります。
通いやすや予約の取りやすさをチェック
永久脱毛を行うには、毛周期に合わせて複数回クリニックに通う必要があります。
自宅や職場、学校に違いクリニックを選ぶと、あまり負担を感じずに通院を続けられます。
自分が通える日時に合わせて、休診日や診療時間をチェックするのも忘れずに。
土日や夜遅くまで開院しているクリニックを選ぶと、忙しい人も脱毛に通いやすくなります。
公式サイトやアプリ、LINEなどから気軽に予約が取れるなど予約の取りやすさも大切です。
予約状況の通知サービスなどを使えると、永久脱毛をスムーズに進められます。
永久脱毛のデメリットを解説
永久脱毛はメリットばかりではありません。永久脱毛を始める前に、知っておきたいデメリット3点を解説します。
- 脱毛前の毛量に戻せない
- 脱毛時に痛みがある
- 脱毛費用がかかる
脱毛前の毛量に戻せない
永久脱毛で発毛組織を破壊すると、発毛の仕組みから言えば毛が再生することはほぼなくなります。
脱毛前のような毛量には戻れないことを理解した上で永久脱毛を申し込みましょう。
Vラインや眉周辺、うなじなどは好みが変わることのあるパーツなので、慎重にデザインを決めてください。
デザインに迷う場合は、初回カウンセリングでスタッフと相談して決めるのも1つの手段です。
脱毛時に痛みがある
発毛組織を破壊する永久脱毛は、施術の痛みを伴います。
ニードル脱毛は、毛穴にニードルを挿入し通電する際に痛みを感じやすい脱毛方法です。
医療レーザー脱毛はニードル脱毛ほどではありませんが、熱による痛みは刺激を少なからず感じます。
痛みの感じ方は人により違いますが、クリニックでの永久脱毛では麻酔を使うことができます。
痛みが不安な人は、クリニックのスタッフに相談してみてください。
脱毛費用がかかる
永久脱毛の契約にはそれなりの金額がかかります。
永久脱毛の値段については、総額でいくら必要なのかを確認した上で、無理のない支払い計画を立てるようにしてください。
シェービング料や麻酔代など、追加でかかる費用についてもカウンセリングで確認しておくと良いでしょう。
痛みはどのくらい?永久脱毛のQ&A
永久脱毛に関するさまざまな疑問に答えます!
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永久脱毛の痛みはどのくらいですか。
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痛みの感じ方は人により異なりますが、医療レーザーによる永久脱毛は「輪ゴムをはじいたような痛み」と評されることがあります。
クリニックでの永久脱毛は、痛みが苦手な場合に麻酔の使用が可能です。
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未成年でも永久脱毛できますか。
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はい。未成年でも永久脱毛を行えるクリニックは数多くあります。
ただしホルモンバランスが不安定な成長期は永久脱毛に不向きという考えにより、年齢制限を設けているクリニックもあります。
未成年の方は親権者の同意書または保護者の同伴が必要なので、保護者と相談の上でカウンセリングを受けてください。
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永久脱毛をした後にまた毛が生えてくることはありますか。
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はい。永久脱毛は一生毛が生えてこなくなることを約束するものではないので、脱毛後に毛が生えてくる可能性はあります。
ただし、永久脱毛前のような毛量に戻ることはほぼありません。
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脱毛クリームや家庭用の美容器を使って自分で永久脱毛はできない?
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はい。脱毛クリームや家庭用光美容器に限らず、セルフ脱毛で永久脱毛はできません。
永久脱毛は発毛組織を破壊する医療行為にあたるため、医療脱毛クリニックや美容皮膚科などの医療機関でのみ行うことができます。
※医療脱毛の施術は自由診療であり保険適用外となります。