レーザー脱毛の種類とは?それぞれのレーザー脱毛機の違い

医療脱毛クリニックで導入されている医療レーザー脱毛機には様々な種類がありますが、誰に対しても絶対的な効果がある機器はありません。
肌質や毛質によって、脱毛施術に適切な機器は変わるためです。
レーザー脱毛機にはどのような種類があるのか、どのような場面で用いられるのかを解説します。
医療レーザー脱毛機にはどんな種類がある?
医療脱毛クリニックで使用されている医療レーザー脱毛機にはいくつか種類があります。
現在、医療脱毛で主流となっているレーザーはアレキサンドライトレーザー・ダイオードレーザー・ヤグレーザーの3種類ですが、クリニックによって導入している機器が異なります。
波長 | 755nm |
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特徴 | ・波長が短く肌の浅い部分に照射する ・メラニン色素に反応しやすい |
機器 | ジェントルレーズ |
波長 | 800~940nm |
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特徴 | ・波長の範囲が広い ・照射方法には、熱破壊式と蓄熱式の2種類がある |
機器 |
ライトシェアデュエット ベクタス メディオスター ソプラノアイス・プラチナム |
波長 | 1064nm |
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特徴 | ・波長が長く、根深い体毛にも照射可能 ・メラニン色素に反応しにくい |
機器 | ジェントルヤグ |
各レーザーの大きな違いは波長の長さです。肌の浅い部分に照射するときは波長の短いレーザーを使い、肌の深い部分に照射するときは波長の長いレーザーを使います。
アレキサンドライトレーザー

アレキサンドライトレーザーの波長は、医療脱毛で使用されているレーザーの中では一番短い755nmです。アレキサンドライトレーザーは、メラニン色素への吸収に優れているという特徴があり、皮膚の浅い部分に弱い出力で照射しても毛母細胞と毛乳頭を破壊することができます。
しかし、メラニン色素が薄い産毛にはレーザーが反応しにくいです。色黒の人の施術に使用してしまうと肌のメラニン要素にもレーザーが反応してしまい、火傷を引き起こす危険性があります。
そのため、日焼け肌や色素沈着がある場合には使いにくいでしょう。
ダイオードレーザー

ダイオードレーザーの波長は、800~940nm程度です。レーザーを照射する肌の深さやメラニン色素への反応しやすさは、アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの中間程度とされています。
そのため、アレキサンドライトレーザーよりも産毛への照射がしやすいレーザーです。
しかし、肌の奥深くから生えている濃い毛や太い毛にはレーザーが届きにくい可能性があります。ダイオードレーザーは、熱破壊式と蓄熱式のどちらの脱毛方式でも使用されています。
ヤグレーザー

ヤグレーザーの波長は、医療脱毛で使用されているレーザーの中では一番長い1064nmです。肌の深くまで照射できるため根深い毛の施術に使用することができます。
また、ヤグレーザーはメラニン色素に反応しにくい性質を持っているため、色黒の人や日焼け肌にも照射することが可能な場合があります。
しかし、ヤグレーザーは肌の奥までレーザーが届くために、照射時の痛みを感じやすいという特徴があります。
波長の違いだけでなく製造会社などによっても、細かな違いはあります。現在米国FDA※から正式な認可を受けて多くのクリニックで導入されているのは、アレキサンドライトレーザーとダイオードレーザーです。
日本の厚生労働省に該当する機関
熱破壊式と蓄熱式の照射方法の違いを解説
医療脱毛で用いられるレーザーの照射方法には、熱破壊式と蓄熱式の2種類があります。熱破壊式と蓄熱式の違いは、レーザーを照射する出力と、レーザーを照射するターゲットのふたつです。
熱破壊式は、高い出力のレーザーを毛母細胞と毛乳頭に照射することで発毛組織を破壊するのに対し、蓄熱式は、低い出力のレーザーをバルジ領域に当てることで、じわじわを熱を加えてバルジ領域を破壊します。
- 毛母細胞 … 毛のもととなる細胞
- 毛乳頭 … 毛母細胞に栄養を送る部分
- バルジ領域 … 発毛を促す器官

医療レーザー脱毛機の種類と特徴を紹介
医療脱毛クリニックで多く使用されているレーザー脱毛機の特徴をそれぞれ紹介します。
ジェントルレーズ
引用:シネロン・キャンデラ社
レーザーの種類 | アレキサンドライトレーザー |
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冷却機能 | あり |
照射口の大きさ | 直径6~24mm |
照射時のジェルの塗布 | 不要 |
照射方法 | 熱破壊式 |
導入クリニック |
レジーナクリニック アリシアクリニックなど |
ジェントルレーズはアレキサンドライトレーザーを使用した医療レーザー脱毛機で、ジェントルレーズプロという機種もあります。レーザーの照射時間を調節できる機能が搭載されているため、肌質や毛質に合わせた設定で施術が可能です。
ジェントルヤグ
引用:リゼクリニック
レーザーの種類 | ヤグレーザー |
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冷却機能 | あり |
照射口の大きさ | 直径6~24mm |
照射時のジェルの塗布 | 不要 |
照射方法 | 熱破壊式 |
導入クリニック | リゼクリニック |
ジェントルヤグは、波長が長く皮膚の深くまで熱を与えられるため、太く濃い毛にも使用することができます。また色黒の人や色素沈着がある場合にも照射できる場合があります。
ベクタス
引用:ルシアクリニック
レーザーの種類 | ダイオードレーザー |
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冷却機能 | あり |
照射口の大きさ | 23×32mm, 12×12mm |
照射時のジェルの塗布 | 不要 |
照射方法 | 熱破壊式 |
導入クリニック | ルシアクリニック ミセルクリニック など |
ベクタスは、照射面積が広いことが特徴です。
メラニンチェッカーで肌や毛のメラニン量を測定し、その数値に合わせてレーザーの出力を調整できます。
ライトシェアデュエット
引用:アリシアクリニック
レーザーの種類 | ダイオードレーザー |
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冷却機能 | ハンドピース①:あり ハンドピース②:なし、肌を吸引しながら照射 |
照射口の大きさ | ハンドピース①:9×9mm ハンドピース②:22×35mm |
照射時のジェルの塗布 | ハンドピース①:必要 ハンドピース②:不要 |
照射方法 | 熱破壊式 |
導入クリニック | アリシアクリニック など |
ライトシェアデュエットは、特徴が異なる2種類のハンドピースを使用して照射を行います。照射面積が大きいほうのハンドピースでは、照射部位を吸引しながら照射することで、レーザーが皮膚に含まれるメラニン色素に反応するのを防ぎ、痛みを感じにくくすることができます。
メディオスターNeXT PRO
引用:リゼクリニック
レーザーの種類 | ダイオードレーザー |
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冷却機能 | あり |
照射口の大きさ | 10x14mm, 10x30mm, 24x38mm |
照射時のジェルの塗布 | 必要 |
照射方法 | 蓄熱式/熱破壊式 |
導入クリニック | リゼクリニック フレイアクリニック など |
メディオスターNeXT PROは、3種類のハンドピースを使用することができます。2種類の波長を組み合わせてレーザーを照射するシステムのため、照射ターゲットにできる毛の対象が幅広いという特徴があります。
ソプラノアイス・プラチナム
引用:Alma Lasers
レーザーの種類 | アレキサンドライトレーザー・ダイオードレーザー・ヤグレーザー |
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冷却機能 | あり |
照射口の大きさ | 2cm² ソプラノ・チタニウムは4cm² |
照射時のジェルの塗布 | 必要 |
照射方法 | 蓄熱式/熱破壊式 |
導入クリニック | レジーナクリニック アリシアクリニックなど |
ソプラノアイスプラチナムは、3種類の波長を組み合わせてレーザーを照射します。照射エネルギーを画面で確認できるため、熱の与えすぎを防ぐことができます。
ソプラノシリーズは、新機種のソプラノ・チタニウムを導入しているクリニックもあります。
6種類の医療レーザー脱毛機一覧
各クリニックが導入している医療レーザー脱毛機のまとめです。クリニックでは複数の医療レーザー脱毛機を使用している場合があるため、詳細は各クリニックに問い合わせましょう。
医療レーザー脱毛機 | レーザーの種類 | 導入クリニック |
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ジェントルレーズ | アレキサンドライトレーザー |
レジーナクリニック アリシアクリニックなど |
ジェントルヤグ | ヤグレーザー | リゼクリニック |
ベクタス | ダイオードレーザー |
ルシアクリニック ミセルクリニック など |
ライトシェアデュエット | ダイオードレーザー | アリシアクリニック など |
メディオスターNeXT PRO | ダイオードレーザー |
リゼクリニック フレイアクリニック など |
ソプラノアイス・プラチナム |
アレキサンドライトレーザー ダイオードレーザー ヤグレーザー |
レジーナクリニック アリシアクリニックなど |
医療レーザー脱毛機は日本国内において、さまざまな機種が採用されており、それぞれの機種に特徴やメリット・デメリットがあります。
自分が特に気になる施術部位や痛みの感じ方、肌質などをもとに、医療脱毛クリニックを選ぶとよいでしょう。