SORMA対談

『SORMA』の魅力を紐解いていく

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SORMA

整形外科医としてキャリアスタート
常に信念とするのは
『予防医療の大切さ』

対談

前田美保(以下、前田)

先生、今日はお時間をとってくださってありがとうございます。初めて『SORMA』を使わせていただいたときの衝撃は本当に忘れられません。

友人のライターさんたちにもたくさん紹介しているのですが(笑)、先生は元々整形外科医として医師の経歴をスタートされたとか。ドクターを目指されたきっかけなどをお話いただけますか?

信岡史将(以下、信岡)

『SORMA』をご愛用いただき、ありがとうございます。私が医師を目指した理由は、母が病弱だったためです。

子どもの頃から母に付き添って病院へ行くことが多く、その環境から「お医者さんはすごいな」というのがずっと意識にあったのだと思います。それと同時に、ずっと野球をやっていたというのもありますね。

前田

先生は野球をやられていたんですか?それで身体がしっかりしていらっしゃる!

信岡

いろんなスポーツをやってきましたが、野球はその中でも小学校、中学校、高校、大学とずっとやりましたね。

前田

すごい!ちなみにポジションはどちらをやられていましたか?

信岡

ピッチャーとサードです。補欠でしたが、甲子園にも出たんですよ。私が通っていた高校はその年が初出場でした。一年生だったので、まったく出番はありませんでしたが……(苦笑)。

スポーツに深く関わってきたので、“整形外科”という選択になりました。やはりスポーツと整形外科は切っても切れない間柄なので。

前田

なるほど。医大で野球部。医科リーグに所属されていたわけですか。そこで甲子園出場経験があるなんていったら、もうヒーローですね(笑)。

では、やはり野球をやられていて、身体を傷めたなど、そういう方向にも興味が湧いたという感じでしたか?

信岡

はい。スポーツ外傷というジャンルに目が向きました。腰や肩、ヒジなどを傷めることは多いですから。

私が院長をしている埼玉県の『上尾メディカルクリニック』ではリトルリーグの男の子たちがたくさんやってきますよ。

前田

私は大学生の頃、チアリーディングをやっていたんです。当時はまだチアリーディングというスポーツは一般的ではなかったですし、『スポーツ外傷』というような考え方も浸透していませんでした。

身体をどう回復させ、怪我のないように最大のパフォーマンスを発揮させるか、といった考えは一切なかった時代なので、相当腰を傷めてしまったんです。正しく身体をつくる方法も知らなかったですし。

だから、今の『怪我をしないように身体をつくる』とか『きちんと回復させる』という考えは本当に素晴らしいと思います。

信岡

そうですね。成長期にハードにスポーツを行うと、どうしても身体を傷めることになりがち。しかも、かつて野球の練習中は『水を飲んだらダメだ』というのが当たり前でしたからね。

もちろん、その当時は分からなかったこともあると思いますし、時代が変わるにつれて、何が正しいかというのも変わってきますから、仕方がないのですが。

前田

そのとおりだと思います。昔は“うさぎ跳び”も立派なトレーニングでしたが、今は脚を傷めるからやらないといいますしね。

信岡

野球の場合でも投げすぎで肩を傷める子もいれば、もちろん傷めない子もいます。でも傷める子のほうが圧倒的に多いんです。疲労が故障の原因になっているんですね。アメリカと比べるとよく分かりますが、高校野球と言ってもまったく選手に対するケアが違います。

しかも、ひとつのスポーツだけでなく、野球、バスケットボール、アメリカンフットボールなど複数の部活動に参加しますので、日本に比べると身体の使い方のバランスがいいかもしれません。

前田

なるほど。そういうのをずっと体感し、見ていらしたからこそ、整形外科医になりたいと思われたわけですね。

信岡

はい。日本とアメリカには決定的な違いがあって、日本の場合は有名な選手にはしっかりスポーツ医学をやっている先生がついているけれど、小・中・高校生で運動をやっている子供たちにスポーツ外傷のケアをできる先生がついているかというと、そうではないんです。

まあ、ある程度実際は増えてきていますが、アメリカの場合は自由診療だから著名な大学の医学部が率先してスポーツドクターやスーパートレーナーとして若いスポーツ選手をしっかりケアするという土壌があります。

日本はやはり保険診療の範疇なので、なかなかそういう仕組みが出来上がりません。

前田

確かにまだまだ『傷めてから治す』という考え方のほうが一般的だと思います。先生がエビスノブクリニックのホームページで『QOL(Quality of Life)というキーワードを頻繁に挙げていらっしゃるのも、きっとそういう信念がおありだからなんですね。

例えば、アメリカでは日本に比べてあらゆるタイプのサプリメントが購入できます。栄養補助食品というよりは、きちんと予防医学に基づいているからですよね。

日本ではまだまだ予防医学の考え方は進んでないと思います。

信岡

おっしゃる通り、とても少ないです。サプリメントを中心に行っているドクターが増えてきたのは確かですが、それでもアメリカに比べると断然少ない。まあ、手放しでアメリカがいいというわけではありませんが、例えば『予防医学』や『健康寿命』について日本ではまったくそこまで進んでないわけです。

「病気になりましたね。じゃあ、診てみましょう」というスタンス。ところがアメリカでは「病気にならないように普段からきちんと診ていきましょう」というのが基本的な考え方。

私がこのエビスノブクリニックを開院させたきっかけも『健康寿命』を延ばしたいという思いからです。

実際は病気ではありませんが、“老化”というものを病気と同じ視点で捉えて、少しでも老化細胞を抑えていこう、という意味合いで『幹細胞』にも注目し、研究を始めたというわけです。

前田

信岡先生のドクターとしてのスタートと今のクリニックとの関係がとてもよく理解できました。

やはり今多くの医療現場で行われている『対処療法』では、色々と限界があるという感じなのですか?

信岡

限界というより、まったく異なるステージだと思います。病気は罹患したときにできる治療というのが保険診療としてありますが、『予防医療』に関しては日本の場合はまだ残念ながら保険診療の範疇ではありません。

どうしても自由診療・自費の部分が多くなってしまうのですが、今は老化が遺伝子レベルで分かる時代。

肌だけでなく肝臓や腎臓、膵臓といった内臓的なものもそうですが、遺伝子というミクロのところから少しでも老化スピードを落としていこう――、そういうのが予防医学・予防医療に繋がっていくのではないかと思っています。

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