SORMA対談

ドクターズコスメと言っても、実際は“名前貸し”のようなものが多くありませんか？プロデュースした程度、という具合で、本当にドクターが関与しているものはほぼないと思います(笑)

私も開発担当者と一緒じゃなかったら、ここまでのものは出来なかったと思っています。

化粧品の開発と医者の仕事はまったく別の分野ですから。彼とは本当にギリギリまでやり取りを重ねました。「もっと上清液を入れたい」「これ以上要れるとタンパク質が腐って匂いが出てきます。ここが限界です」といった具合に、どれだけベストバランスでイケるかというのを模索しましたね。

香料問題は大きかったです。『SORMA』には香りがついています。これとは別の香料を入れた試作品をいくつか作り、実際にアトピーの方にも試していただきましたが、そのときはうまくいかなくて。香りは本当に試行錯誤を繰り返しましたね。

私と開発担当者は両方ともアトピー治療にとても興味を持っていて、幹細胞がアトピーに効果を出すことが判明したところから、私が「処方薬ではなく、スキンケアを作りましょう」と提案したのがスタートです。それが5,6年前ですかね。

先ほどもお話した『香料』です。スキンケアとしてはとてもいいものが出来上がったのですが、最初はちょっと生臭い感じがあったんですよね。

その匂いは幹細胞の量とサイトカインのバランス、あとはテクスチャーをよくするための数種類の成分とのバランスによって発生していました。これ以上サイトカインの量を減らすとアトピーに対しての効果が薄れてしまうし……というところでかなり試行錯誤しました。

しかし、私たちのスタンダードは『アトピーの方がどう感じてくれるか』というところにありましたので、そこを揺るがすことなく、最善の道を選ぶように努力しました。

なるほど。

これ！という処方に辿り着いたときに目の前に立ちはだかった大きな壁が、幹細胞という剤そのものが持つ匂いだったので、これをどうにかしないと、というのは本当に開発担当者と悩みましたからね。

男性は少し匂いがキツくても、結果さえよければ気にしないというのがありますが、やはり女性の気持ちを考えると……(笑)。

成分バランス、効果、テクスチャーの黄金比を一切変えずに、キツかった匂いだけを消すというのが一番苦労したポイントでしょうね。

でも、そんなに強い匂いというわけでもないでしょう？

だから、化粧品に香料がついているのが苦手という方でも気にならない範疇でお使いいただけるのではないかと思っています。